Hyaluronan
ヒアルロン酸
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ヒアルロン酸注入治療について
ヒアルロン酸とは、ヒトをはじめ脊椎動物の身体の中に含まれている多糖類(単糖が多数結合して長くつながった炭水化物)の一種で、生体内でたんぱく質と結合する性質を持つムコ多糖類と呼ばれる物質です。皮膚、関節、眼球の硝子体に多く分布しています。保水力が高いという性質から、皮膚では乾燥を防ぎ、細胞組織を保護するという重要な役割を担っています。
医療用としては、関節の痛みを和らげたり炎症を抑えるために関節内に注入するなどの形でヒアルロン酸による治療が行なわれてきました。美容外科の領域でも、シワを取ったり唇をふっくらさせたりといった目的で見た目を若々しく保つために使われることが増えています。
ヒアルロン酸の効果
ヒアルロン酸を美容に用いる手段として、サプリメントやドリンクなどの形で「飲む」、化粧品に配合したものを「塗る」、パッチで「貼る」といった方法がありますが、いずれも効果は限られるか、あったとしても一時的なものにとどまります。最も効果を発揮するのは、注入治療です。主に顔のシワやたるみの改善に用いられます。ほうれい線など顔のさまざまな箇所に注入することができ、深いシワやたるみなど、化粧品では改善の難しいところにも有効です。唇のボリュームアップや、あごやフェイスラインを整えるのにも用いられます。
ヒアルロン酸注入は皮膚の切開を行わないので、傷跡を作らないで鼻筋や顎先の輪郭形成を行なうこともできます。
ほうれい線や額の深いシワや、ゴルゴライン、こめかみのくぼみなどを埋めて滑らかにし、ボリューム感のある肌を実現します。
ただし、効果は永続的ではなく、注入する製剤の種類によっても異なりますが、持続期間は9ヶ月から長いもので24ヶ月程度です。
ヒアルロン酸注入は、さまざまな施術と併用することが可能です。他の注入剤やフェイスリフト施術、レーザー施術などと組み合わせることも問題ありません。たとえばヒアルロン酸注入で頬に高さを出し、フェイスリフトで輪郭のたるみを引き上げることで、ヒアルロン酸注入を単体で受けるよりも、若々しい印象を実現するといったことが期待できます。可能な組み合わせについては、カウンセリングの際に医師にご相談ください。
ヒアルロン酸のメニュー
鼻のヒアルロン酸
鼻のヒアルロン酸注入は、鼻の形状やバランスを調整することができる美容施術のひとつです。
ヒアルロン酸を狙った部位に直接注入することで、鼻に高さを出したり、スッと鼻筋の通った鼻を作ったり、鼻の形状を細かく調整したりすることが可能です。
顎のヒアルロン酸
顎のヒアルロン酸注入は、顎の形を整えるための美容施術です。
ヒアルロン酸は、皮膚の保湿力を高めるなど、体内に自然に存在する物質であり、高い安全性が認められています。
そんなヒアルロン酸を顎の狙った部位に注入することで、顎先にボリュームを出したり、顎の形を整えてシャープな印象に変えるなど、フェイスライン全体を調整することができます。
唇のヒアルロン酸
唇のヒアルロン酸注入では、極細の注射針を用いて、ヒアルロン酸を直接唇に注入していきます。
狙った部位にピンポイントにヒアルロン酸を注入することで、唇に程よいボリューム感や潤いを生み出すことができ、よりプルプルとした弾力のある唇を表現することが可能です。
ヒアルロン酸注入で使用するニューラミスとは
ヒアルロン酸と一口にいっても、さまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。硬さや粘性などに違いがあり、注射する部位や目的によって使い分けます。
ニューラミスは、韓国のmedytox(メディトックス)社が開発して販売しているヒアルロン酸製剤で、商標名です。
韓国食品医薬安全庁(KFDA)や欧州医薬品品質理事会(EDQM)から認可を受けている製剤です。
韓国で製造されていますが、原料は日本の資生堂のものが使用されています。
原料に微生物作用や動物由来の成分を使用していないことが確認されています。
また、他の製剤に比べて費用が低くてすむのも利点の一つです。
肌の悩みに応じて4種類の硬さから選べます。
柔らかい順に、ライトリドカイン、リドカイン、ディープリドカイン、ボリュームリドカインをご用意しています。
いずれも麻酔薬入りのヒアルロン酸です。痛みに対してご不安な方も、ストレスなく治療をお受け頂く事ができます。
柔らかいものは程度の軽い治療に、硬いものは輪郭形成など治療の程度が重いものに使われます。
治療部位でいうと、ライトリドカインで対応するのは小じわや唇など、リドカインは目の下やほうれい線、こめかみのほか涙袋形成など、ディープリドカインは鼻や額、フェイスラインなど、ボリュームリドカインは鼻筋や顎といったところが標準的な対応関係になります。ただし、これは肌の状態や形状にもよりますので、人によって違った選択になる可能性もあります。
ニューラミス注入の効果持続期間
個人差がありますが、効果は約2週間で安定し、1か月から12か月にわたって持続するのが一般的です。
注入後は体内で徐々に吸収されていきます。初回の注入から数か月経過してから追加注入することで効果を持続させることができます。
ヒアルロン酸注入はこんな人に向いています
- 目元・口元・額・眉間などのしわが気になる
- こけたこめかみやおでこをボリュームアップさせたい
- フェイスラインを改善したい
- 涙袋を目立たせたい
- エイジングケアのために皮膚を切開したくない
ヒアルロン酸注入が受けられない方
妊娠中または妊娠している可能性のある方、授乳中の方、糖尿病や膠原病といった持病がある方、注入部位の周辺が化膿している方、ケロイド体質の方は、ヒアルロン酸注射が受けられません。
ヒアルロン酸注入のリスク、ダウンタイム
副作用として、痛みや内出血、浮腫(むくみ)が起こる場合があります。
まれに注入部位が硬くなったり、しこりになる可能性があります。
内出血が生じることがありますが、数日以内に改善する場合がほとんどです。
ダウンタイムはほとんどありません。当日からほぼ通常の生活に戻ることが可能です。
なお、感染予防のため、注入部位を必要以上に触らないように気をつけてください。初めての場合、違和感を感じることがありますが、数日で気にならなくなります。
ヒアルロン酸注入の施術の流れ
ヒアルロン酸注入の大まかな施術の流れは次の通りです。
カウンセリング
まずは医師がお話を聞いて、どういう状態を目標とするかのすり合わせを行ない、治療方針を決定します。
洗顔
洗顔でメイクや汚れを落とします。
注入
注入が必要な部位にマーキングして注入します。注入にはごく細い針の注射器を使います。ニューラミスは麻酔成分のリドカインが含まれていますが、必要に応じて表面麻酔などを用いることもあります。
施術後
施術後は注射した箇所の止血を行います。
施術時間は部位にもよりますが5分から15分程度で、施術後はすぐに帰宅できます。
ヒアルロン酸注入の施術後の注意点
体質によっては内出血が起こる場合があります。
メイクは当日から可能になりますが、注入部位のマッサージは避けてください。
シャワーや入浴も当日から可能です。
注入したゲル状の製剤が皮膚の下で移動してしまうのを防ぐため、1週間程度はマッサージを含め注入部分を圧迫することは避けるのが無難です。
ヒアルロン酸注入のQ&A
ヒアルロン酸注入でアレルギー症状が起こることはありませんか?
ヒアルロン酸はもともと体内に存在する物質なので、注入することでアレルギー反応が出るリスクは低いとされています。とはいえヒアルロン酸注射は体に異物を入れる施術なので、アレルギー症状が出る可能性もゼロではありません。体質などによっては腫れや熱感などが生じることもあります。ヒアルロン酸製剤は、体の中にあるヒアルロン酸と完全に同じものではなく、ヒアルロン酸の分解を遅らせるための添加物も含まれますので、そういったものが原因でアレルギー反応が起こる可能性もあります。施術後の腫れや熱感、赤みといった症状が2週間以上続く場合はアレルギーの可能性がありますので、すぐに医師へ相談してください。
ヒアルロン酸を入れ過ぎてしまうことはありませんか? 失敗例を聞いて不安になっています。
入り過ぎてしまったり凸凹が残ってしまったヒアルロン酸は分解することができます。他院でヒアルロン酸を入れ過ぎてしまった方もぜひお気軽にご相談ください。